救急医療とその後の治療や療養生活
日本の救急医療は、先進国のなかでも高い評価を受けています。救急医療と言うと、米国の様子がテレビドラマ化されてひときわ脚光を浴び、その先進性が世界でも評判を呼びました。日本の救急医療は米国には及びませんが、高い技術を誇っていると言って良いでしょう。最近はさまざまな医療ドラマが放送されており、その影響で救急車以外にも「ドクターヘリ」という存在が世の中に広く知れ渡るようになりました。それとともに、ドクターヘリの乗務員として活躍するフライトナースを目指す看護師も増えてきているようです。(フライトナースの詳細>>>目指せフライトナース)
脳梗塞や心筋梗塞など血管に血栓が詰まってしまう病気では、発症からいかに短い時間で医療現場である病院まで搬送できるかで患者の命運が左右されます。現在、日本では救急車の搬送要請の連絡から現場到着まで平均約8分ほどかかっており、都道府県によってもばらつきがあります。東京のような大都市では、幹線道路が慢性的に渋滞していることもあって、多少時間が掛かっています。しかし、患者に掛かり付けの病院があるとたらい回しにされることもなく、受け入れ体制を整えて準備していてくれるようです。救命医療室でCT検査と応急処置を施したのち、病棟へ移されて入院手続きを取り専門医師の治療を受けることになります。ここまでくれば通常一安心ですが、患者によっては肺炎などの合併症を起こすことがあるので、注意深い看護体制も必要になって来ます。
急性期を無事乗り切り一命を取り留めても、重い後遺症に悩まされる患者も少なく有りません。顔面や手足に麻痺が残り、通常の日常生活を取り戻せない患者が大勢います。これらは、病院のリハビリテーション科で機能回復の訓練を行なって、できるだけもとの体に戻せるかにかかっています。このように、救急医療の発達程度はその後の治療や療養生活、日常生活の復活にも深い影響を与えています。